ネットワーク符号化は、ネットワークの構造を利用して情報を各ノードで符号化して伝送することにより伝送効率を高める技術です。

インターネットでは、様々な通信路によって繋がれたノード(ルータ)のネットワーク上を情報が伝送されます。この時、ルータで情報をそのまま転送するのではなく、適切に符号化して複数の通信路を使って伝送することで、伝送効率を高められることを2000年にAhlswedeが Cai, Li, Yeungと提案しました。

その後の研究で、比較的単純な符号化の仕組みでも、マルチキャストの場合にはかなり有効であることが分かり、実用化に向けて研究の裾野が広がってきています。基本的には、各通信路の容量に基づく最大ネットワーク流を求める問題になり、符号化についても誤り訂正等に近いような話もあるため、既に研究されている理論の応用で短期的な技術革新も十分に期待できそうです。セキュリティ等の実用面での展開が進めば、数年後には身近な機器にネットワーク符号化装置が内蔵されるようになっているかもしれませんね!